長い歴史の中で将軍塚は幾度となく静寂に包まれてきたが、平成の時代に大きな転換期を迎えた。京都の名刹・青蓮院門跡(天台宗)が主導した「大舞台再建プロジェクト」である。大正時代に建てられ、北野天満宮から移築された武道場「平安道場」を「将軍塚青龍殿」として修復再建し、その背後に広大な木造デッキを構築する構想が立ち上がった。
清水寺の舞台の約4.6倍という規格外のスケールを誇る大舞台の建設は、日本の伝統的な木造建築技術を結集した一大事業となった。国産の檜材をふんだんに使い、崖に競り出すように組まれた構造体は、耐震性と美観をハイレベルで両立させている。天台宗の精神性と職人たちの技が融合したこの建造物は、伝統継承と新たなランドマーク創出の象徴だ。