近年発表された国土交通省の建築着工統計によると、全戸建て住宅に占める平屋の割合は右肩上がりの上昇を続けている。十数年前までは「シニア層の終の棲家」という位置づけが大半を占めていたが、現在は30代〜40代の子育て世帯による取得が大幅に増加しているのだ。
この需要シフトの裏には、地震などの自然災害に対する防災意識の向上や、バリアフリー構造によるライフステージの変化への適応力がある。階段が存在しない平屋は、幼い子供の転落事故を防ぐだけでなく、老後の暮らしにおいても絶大な安心感をもたらす。
さらに、屋根面積がコンパクトであることから、将来的な外壁や屋根のメンテナンスコストを2階建てよりも低く抑えられる利点がある。長期的な視点で資産価値を維持できる平屋は、将来的な空き家問題を見据えた市場においても強い競争力を持ち続けている。