NHKの大河ドラマや各種の時代劇を鑑賞する際、こうした歴史雑学を頭に入れておくと画面の深みがまったく違ってくる。実際の歴史的建造物や保存民家を訪れたとき、天井の低さや廊下の狭さ、あるいは出入口の低さに頭をぶつけそうになった経験はないだろうか。それは建築基準が当時の人間の背丈に合わせて作られていた動かぬ証拠だ。
大正モダニズムの華やかな街並みを闊歩していた人々は、決して頑丈な大柄ではなかったかもしれない。しかし、着物をきりりと着こなし、舗装されていない砂利道を下駄や藁草履で足腰強く歩き抜く力強い体幹を持っていた。小柄な身体に宿るそのバイタリティこそが、激動の時代を切り拓く原動力となっていたのだ。