大泉洋のジブリ出演を語るうえで絶対に外せないのが、彼が所属する演劇ユニット「TEAM NACS(チームナックス)」(森崎博之、安田顕、戸次重幸、大泉洋、音尾琢真)の存在です。実は大泉洋単体だけでなく、TEAM NACSのメンバー全員がジブリ作品に集団出演を果たしている事実は、映画ファン以外にはあまり知られていません。
最初の結節点となったのは、やはり『千と千尋の神隠し』でした。この作品では大泉洋が番台蛙という主要な役を得ただけでなく、安田顕が「おしら様」や案内蛙、森崎博之や音尾琢真、戸次重幸も油屋に集う神々や蛙男たちのガヤ(群衆の声)としてクレジットされています。
続く『ハウルの動く城』でも5人全員がアフレコに参加。街の橋の上で行き交う男(戸次重幸)や城の門番(音尾琢真)など、要所要所にメンバーの声が散りばめられました。そしてその集大成となったのが、北海道の湿原と海辺の町を舞台にした2014年の『思い出のマーニー』(米林宏昌監督)です。
北海道出身のクリエイターが集結した同作では、TEAM NACSが公式に応援団を務めるとともに、劇中の重要人物たちをメンバーが分担して担当しました。安田顕が言葉を話さない無口な老人「十一(といち)」を重厚に演じ、森崎博之が杏奈の美術教師役、戸次重幸が回想に登場する紳士役、音尾琢真が町内会役員役を好演。北海道の雄大な自然と人々の生活感をスクリーンに定着させるうえで、TEAM NACSの5人が持つリアルな土着性とアンサンブル能力が作品の根底を支える決定打となったのです。