高校野球史の記録を鮮やかに塗り替えた瞬間は、2012年 夏の甲子園の開幕初日に訪れました。桐光学園のエースとして聖地のマウンドに上がった当時2年生の松井裕樹は、初回からアクセル全開のピッチングを展開します。対戦相手の今治西高校は、甲子園常連の実力校でしたが、松井の投じるボールに手も足も出ない状態が続きました。
試合が進むにつれて甲子園のスタンドは異様な熱気に包まれます。3回から5回にかけて記録した10者連続奪三振 記録は、1926年に記録された従来の記録(8者連続)を86年ぶりに更新する快挙でした。鋭く腕を振り抜き、低めに鋭く切れ込むボールに相手打線のバットが次々と空を切ります。
最終的に9回を投げ抜き、スコアボードに刻まれた三振の数は驚愕の「22」。従来の9イニング最多記録(19奪三振)を大幅に更新する松井裕樹 1試合22奪三振の新記録が誕生した瞬間でした。27のアウトのうち22個を三振で奪うという離れ業は、高校野球ファンのみならず、日本中のプロスカウトを驚嘆させました。