厳しい規制の枠組みの中で、日本のトップメーカーである相模ゴム工業(サガミオリジナル)やオカモトは、卓越したクリエイティビティで時代を象徴する名作CMを生み出してきました。
代表的な事例が、サガミオリジナルが展開した透明感あふれるショートフィルム仕立ての広告です。「愛と技術」をテーマに掲げ、商品の物理的な薄さ(0.02mmや0.01mm)を直接謳うのではなく、恋人同士の繊細な距離感や心の通い合いを情感豊かに描写しました。人気女優やモデル、注目の若手クリエイターを起用したプロモーションは、深夜のスポット枠でありながら視聴者に強烈な印象を残しました。
一方のオカモトも、コンドームを直接映す代わりに可愛らしい恐竜のアニメーションをメタファーとして用いたり、「コンドームバトラー」といったユニークなキャラクターを展開するなど、ユーモアを交えて若年層への啓発を図る試みを続けました。規制という制約があったからこそ、直接性を排除した芸術性の高い広告表現が研ぎ澄まされたと言えます。