正式タイトルである『媚肉の香り ~惨劇の館~』が示唆する通り、物語の舞台となる館には数々の伏線と仕掛けが張り巡らされている。表向きは優雅な大邸宅でありながら、その廊下の足音、調度品の配置、そして登場人物たちのふとした発言一つひとつに、後半の破滅的な真相へと繋がる手がかりが隠されているのだ。
特に中盤以降の伏線回収は鮮やかの一言に尽きる。私立探偵・伊吹拓郎が対峙する陰謀の深層や、美しき未亡人・葉山律子が秘めていた過酷な宿命。彼女の細やかな仕草や台詞の裏に隠されていた真意が暴かれた瞬間、プレイヤーはそれまでの見立てを完全に覆されることになる。信頼と裏切りがめまぐるしく入れ替わる怒涛の展開は、まさに圧巻だ。