現在、世界の映像配信(SVOD)業界において最も激しい視聴シェア争いが繰り広げられているのが、トゥルークライム(実録犯罪)ジャンルだ。かつては深夜枠のニッチなドキュメンタリーに過ぎなかった実録犯罪コンテンツは、いまやプラットフォームの命運を握る看板IPへと急成長を遂げた。
莫大な予算を投じてアーカイブ映像のデジタル修復と当事者の独占告白を映像化するNetflixのドキュメンタリー群と、重厚な司法ドラマや硬派な調査報道スタイルで対抗するHBO Maxの攻防は激しさを増す一方だ。近年では、韓国発のサスペンス『殺人者のパラドックス』のように、実録のリアリズムを取り入れつつ道徳的ジレンマを鋭く突くフィクションも登場し、世界的なバイラル現象を巻き起こしている。