まず基礎知識として押さえておきたいのが、検索や報道で目にする「魯比奧」という表記の背景です。魯比奧の日本語での読み方は「マルコ・ルビオ」(中国語標準語の発音では「Lǔ bǐ ào / ルー・ビー・アオ」)であり、台湾、香港、中国本土の主要メディア(中央社、聯合報、環球時報など)で一貫して用いられている公式表記です。
ルビオ氏のアイデンティティを理解する上で不可欠なのが、その出自です。1971年にフロリダ州マイアミで誕生した彼の両親は、カストロ共産政権成立直前の1956年にキューバから米国へ渡った移民でした。父はホテルのバーテンダー、母は客室清掃係(メイド)や工場労働者として過酷な労働を重ね、家族を支えたと伝えられています。
自著の回顧録『An American Son』の中で、ルビオ氏は「我が家には特権階級のコネも資産もなかった。だが、両親の勤勉な労働が私にアメリカン・ドリームへの扉を開いてくれた」と告白しています。共産主義体制の圧政から逃れてきた両親の記憶と、自由主義社会への強い信仰が、彼の政治信条である「反全体主義」「人権擁護」「力による平和」の強固なバックボーンを形成しました。
マイアミ大学法科大学院を修了後、弱冠28歳でフロリダ州下院議員に初当選。卓越した弁舌と政策立案力で頭角を現し、2006年には同州下院議長に史上最年少(36歳)かつ初のヒスパニック系として就任しました。その後、2010年の連邦上院議員選挙で全米的なティーパーティー運動の波に乗って当選。以来3期にわたり上院情報特別委員会の筆頭理事や外交委員会幹部を務め、共和党屈指の外交通としての地位を確立していきました。