1980年代後半から1990年代にかけて、CHAGE and ASKAは日本の音楽史に残る金字塔を打ち立てた。「SAY YES」がドラマの主題歌として社会現象を巻き起こし、「YAH YAH YAH」が街中に響き渡っていた時代。爆発的なヒット作を次々と生み出す多忙な日々のなか、八木洋子さんはラジオアナウンサーとしてのキャリアを惜しみつつも退職し、家庭を守る決意をした。
J-POPシーンの頂点に君臨する天才ミュージシャンの創作活動は、常に極限の緊張感と背中合わせだった。彼女は家庭内での平穏を保ち、精神的支柱として夫のインスピレーションを支え続けた。ファンやメディアの苛烈な視線に晒されながらも、一歩引いた場所で微笑みを絶やさなかった彼女の存在なくして、あの黄金期の旋律は生まれ得なかったと言っても大げさではない。