親指の第一関節が痛い原因とは?押すと痛む腫れ・へバーデン結節の真相について分かりやすく解説いたします。最新の情報をご覧ください。
手指の変形性関節症のなかで最も認知度が高い「へバーデン結節」は、一般的には示指から小指の第一関節(DIP関節)に好発する疾患として知られています。しかし、臨床的には親指の第一関節(IP関節)にも同様の病態が現れるケースが珍しくありません。一方で、親指の痛みで受診する患者のなかには、根元の関節症や全身性疾患と混同している例が後を絶ちません。正しい診断と治療の第一歩として、類似疾患との鑑別点を整理しました。
疾患名痛みの主座(好発部位)特徴的な症状と変形鑑別のポイントと注意点へバーデン結節(親指IP関節)親指の爪のすぐ下の関節(第一関節)押すと痛む、硬い骨の出っ張り(結節)、屈曲拘縮、水ぶくれ様粘液嚢腫(ミューカスシスト)他の指の第一関節にも変形が共存することが多い。軟骨破壊が進むと横に曲がる。母指CM関節症親指の付け根、手首に近いふくらみ部分瓶のフタ開けや雑巾絞りで激痛、根元骨の亜脱臼による「白鳥の首変形」母指CM関節症との違いは患部の位置。親指を強く開く・つまむ動作で根元が突き出る。関節リウマチ第二関節(PIP/MP)、手首関節(左右対称性)朝のこわばり(30分以上持続)、熱感を伴う柔らかいプニプニした腫脹、微熱第一関節単独の発症は極めて稀。血液検査(RF、抗CCP抗体)やエコーで鑑別。ばね指(狭窄性腱鞘炎)手のひら側、指の付け根の腱鞘部分指の曲げ伸ばし時の引っかかり(弾発現象)、無理に伸ばすとカクンと戻る関節そのものの破壊ではなく腱と腱鞘の摩擦。第一関節が曲がらない主因になることもある。
日本整形外科学会の診療指針においても、変形性関節症手の指における病巣の特定は治療方針の成否を分ける前提条件とされています。特に親指の第一関節に変形が生じるへバーデン結節親指の発症例では、付け根のCM関節症を合併している割合が約30%に達するという臨床統計もあり、自己判断で一箇所だけの問題と決めつけるのは危険です。