この古典は、上演するカンパニーの文化的背景によって全く異なる表情を見せる。圧巻のスケールとダイナミックな跳躍で観客を圧倒するのは伝統のボリショイ・バレエだ。力強い肉体表現と感情の爆発は、ロシア・バレエの伝統と誇りをダイレクトに伝える。
一方、英国ロイヤル・バレエ団の舞台は劇的な演劇性と精緻なニュアンスに富む。登場人物の内面心理を丁寧に織り込み、古典クラシック・バレエの枠組みを超えた重厚な人間ドラマへと昇華させる手法は見事だ。各国のカンパニーがそれぞれの解釈で磨きをかけることで、名作は色褪せることなく息づいている。