西宮神社の開門神事で語り継がれる歴代の福男たち、例えば志和智久氏や高橋和史氏らの歩んできた道は、後続の挑戦者たちにとっても大きな指針となっている。彼らが口を揃えて語るのは、「一番福」とは決して自分一人だけが幸せになるための称号ではない、という神事本来の精神だ。
「福男になった者は、その一年、周囲の人々に福を分け与える存在にならなければならない」。この教えに気づいた時、消防士としての彼らの使命感はさらに強固なものとなった。自らの身体を張って市民の命と財産を守ることこそが、最大の「福分け」であると確信した瞬間だった。