園内を象徴する二大ハイライトが「初夏のあじさい」と「晩秋の紅葉」です。標高440メートルに位置するため、神戸市街地よりも気温が2〜3度低く、開花や色づきの進み方に特有のリズムがあります。
初夏のあじさいは、6月中旬から7月中旬にかけて最盛期を迎えます。園内には約350品種・5万株が群生しており、日本有数のコレクション規模を誇ります。最大の見どころは、かつて六甲山でシーボルトが記録しながらも絶滅したとされ、126年ぶりに再発見された幻の名花「シチダンカ(七段花)」です。星型の可憐な装飾花が重なる姿は、あじさい園の奥深くで静謐な存在感を放ちます。青く澄んだ「ヒメアジサイ」が散策路を埋め尽くす「あじさい坂」のグラデーションも見逃せません。
一方、秋の深まりとともに園内をドラマチックに変貌させるのが、10月下旬から11月下旬の紅葉シーズンです。イロハモミジやウリハダカエデなど約38種・3,000本が赤や黄金色に染まります。特に中心部に位置する「長谷池(はせいけ)」周辺は、水面に映り込む逆さ紅葉が絵画のような美しさを描き出します。例年11月に開催される「紅葉のライトアップ(森林もみじ散策)」では、闇夜に照らし出されたメタセコイア並木やモミジが幻想的な世界を創出し、多くの写真愛好家やカップルを魅了しています。