事故直後、一部の心ないネットユーザーや事情を知らないファンの間では「対戦相手だったヤス・ウラノの受け方に問題があったのではないか」という無根拠な批判や邪推が飛び交いました。プロレスにおける重大事故では、往々にして技の仕掛け手や受け手に過度な責任追及が向かいがちです。
しかし、プロレス界の現場と関係者の見解は明確でした。事故の原因となった回転エビ固めは、高山自身が仕掛けたアクションであり、ヤス・ウラノ側に不当な危険行為やミスがあったわけではありません。プロレスは互いの信頼関係の上で成り立つ極限の肉体表現であり、紙一重のズレが重大な事態を引き起こす過酷なリスクを常に孕んでいます。
高山の無二の親友であり、共闘・抗争を繰り広げてきた鈴木みのるは、記者会見やインタビューの場において毅然とした態度で次のように語り、対戦相手へのバッシングを一喝しました。
「プロレスラーは全員が危険と隣り合わせでリングに上がっている。この事故において誰かを責めることほど無意味なものはない。誰も悪くない。高山自身も相手を責めることなど絶対に望んでいない」
ヤス・ウラノ自身も計り知れない精神的ショックと苦悩を抱えましたが、高山サイドや業界全体が「不可抗力の事故」として一致団結し、対戦相手を孤立させない姿勢を貫いたことは、プロレス界の持つ絆とプロフェッショナリズムの深さを示しています。