では、そもそもなぜ「3ヶ月でリセット」という数字が一人歩きしているのでしょうか。その根拠となっているのが、道路交通法施行令に明確に規定されている2年間無事故無違反の特例措置(通称:3ヶ月特例)です。
日本の交通違反累積点数の計算方法は、15点満点からの減点方式ではなく、過去3年間の違反点数を足し上げていく「累積方式」を採用しています。通常、一度違反を犯すとその後1年間無事故・無違反で経過しなければ累積点数はクリアされません。しかし、日頃から模範的な運転を続けてきたドライバーに対しては、以下の厳格な条件を満たす場合に限り、優遇措置が発動します。
- 特例適用条件1:当該の違反行為をする前の「過去2年以上」にわたり、無事故・無違反であったこと
- 特例適用条件2:今回の違反が「1点から3点まで」の軽微な違反であること(一時停止違反、30km/h未満の速度超過、通行禁止違反など)
- 特例適用条件3:違反行為の翌日から起算して「3ヶ月間」、一切の無事故・無違反を維持すること
この3つのハードルをすべてクリアした瞬間、直近で加算された点数は以後の行政処分点数として合算されなくなります。たとえば、過去2年間無事故だった人が2点の一時停止違反を犯し、その後3ヶ月間を無違反で乗り切った場合、仮にその半年後に別の違反を犯しても「前回の2点」は累積されません。これが軽微な違反の点数リセット条件の法的な骨子です。
しかし重ねて強調すべきは、これは「免停リスクを免れるための救済」に過ぎず、行政処分基準上の点数が0点扱いになるだけで、過去の違反データが公安委員会の原簿から物理的に消去されるわけではないという点です。