グラウンド上の球児や審判だけでなく、中継を支える撮影クルーやアナウンサーにとっても、近年の猛暑は死活問題だ。甲子園球場の銀傘(大屋根)の下とはいえ、カメラ機材が発する熱と熱帯夜並みの気温は、機材トラブルやスタッフの体調管理に極めて厳しい環境をもたらす。
2026年の現場では、カメラの完全遠隔操作(リモートカメラ)化が大幅に進んだ。スタンドの過酷な位置に設置されたカメラの多くは、冷房が効いた中継車内や大阪市内の副調整室から遠隔でコントロールされている。これにより、現場の負担を軽減しつつ、これまで設置が難しかった高所や狭小スペースからの迫力ある映像撮影が可能になった。
また、音声集音マイクには最新のノイズキャンセリング技術が導入され、強風や大歓声の中でも解説者と実況の声がクリアに聞こえる工夫が施されている。過酷な環境に屈しない技術者たちの知恵が、高品質な中継を裏で支えているのだ。