磁土に宿る青き生命――陶芸家・藤井隆之が切り拓く「青白磁」の新境地と美の神髄

磁土に宿る青き生命――陶芸家・藤井隆之が切り拓く「青白磁」の新境地と美の神髄

磁土に宿る青き生命――陶芸家・藤井隆之が切り拓く「青白磁」の新境地と美の神髄にまつわる興味深い視点を詳しく紐解きます。

藤井隆之の作風を語る上で欠かせないもう一つの要素が、作品に命を吹き込むモチーフの存在だ。中でも「蓮(はす)模様」と「金魚図」は、国内外で絶大な人気を誇る代表作である。

蓮は古来より東洋美術において清らかさと神聖さの象徴とされてきた。藤井の手にかかると、磁器の表面に咲き誇る蓮の花弁は、まるで今まさに開花したかのような瑞々しさを帯びる。一方、金魚図においては、水中で優雅にひれをなびかせる金魚の動きが、磁器という硬質な媒体の上に、驚くべき臨場感をもって表現される。

一気に挽き上げる大刀洗いの輪物と極細筆の絵付け

藤井の制作プロセスには、劇的なコントラストが存在する。作陶過程における「挽き上げ」の段階では、一気の集中力をもって力強くろくろを回し、歪みのない完璧なフォームを作り出す。しかし、ひとたび絵付けや彫り文様(刻文)の工程に入ると、その作業は極めて繊細なものへと変貌する。

髪の毛ほども狂わぬような極細の筆致と、正確無比な彫りの作業。陶芸関係者が「一気に手がける姿の豪快さと、絵付けの微細さのギャップが恐ろしいほどだ」と舌を巻く理由がここにある。

池田 達也
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池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。