ブイシネマを語る上で、スクリーンから画面を突き破らんばかりの熱量を放ったスターたちの存在を無視することはできない。その筆頭が哀川翔と竹内力の「二大巨頭」だ。哀川翔が乾いた哀愁と疾走感あふれるアクションで観客を魅了する一方、竹内力は『難波金融伝・ミナミの帝王』の萬田銀次郎役で不動の地位を築いた。ド派手なスーツに鋭利な眼光、凄みのある大阪弁で債務者を追い詰める姿は、もはや様式美の域に達している。
さらに「顔面凶器」の異名をとる小沢仁志をはじめとするバイプレイヤーたちも、CGに頼らない命がけのアクションと鬼気迫るアドリブで現場を牽引した。1週間で1本を撮り切る過密日程、爆破シーンのゲリラ撮影など、破天荒なエピソードには事欠かない。コンプライアンスで均質化された現代の映像作品にはない、本物の熱気と役者魂がそこには焼き付いている。