時計の針を少し巻き戻そう。2019年に世に放たれた『いつか, その日が来る日まで...』は、オリコン週間アルバムランキングで最年長1位記録を更新し、金字塔を打ち立てた傑作だった。だが、矢沢永吉という男は過去の栄光に1秒たりとも安住しない。あれから7年。世界が激変し、音楽の聴かれ方が根底から覆る中でも、彼は自身の内なるグルーヴと闘い続けていた。
1970年代、伝説のバンド「キャロル」で日本のロックの夜明けを告げて以来、ソロアーティストとして前人未到の荒野を切り拓いてきた歩み。今回のスタジオ・アルバムは、その半世紀を超えるロックンロールの歴史が凝縮された集大成でありながら、同時に驚くほどみずみずしい初期衝動に満ちている。生楽器の鳴りを極限まで磨き上げたダイナミズムは、聴く者の胸倉を掴んで離さない。