店舗が存在しない最大の要因は、1984年(昭和59年)に改正され、翌1985年に施行された「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(新風営法)」にある。この法改正は、日本の風俗産業の地図を劇的に塗り替えた。
新風営法の下では、店舗型性風俗特殊営業第1種(個室浴場等)を開業できる区域が厳格に定められた。学校、図書館、病院、児童福祉施設といった「保全対象施設」から一定の距離(通常200メートル以上)を離さなければならない。
京都特有の「都市構造」という物理的障壁
京都市内は、狭い盆地の中に無数の寺院、神社、学校、医療機関、住宅地が密接に混在している。法的な規制距離を適用した場合、市内のほぼ全域が営業禁止区域に該当する。さらに、京都府風俗営業適正化施行条例により、独自の追加規制が課された。
法改正時に既得権益として営業を認められた「既存店」が京都には存在しなかった。この事実が、将来にわたって京都府内でソープランドが新設される可能性を完全に断ち切ったのである。