在日ファンクというインパクトのある名称を初めて目にした際、その背景に政治的・社会的な意図があるのではないかと推測するリスナーも少なくありません。しかし、在日ファンク名前の由来における真相は、極めてストレートかつ真摯な音楽的アイデンティティの表明にあります。
公式プロフィールや当時のインタビュー資料において、彼らは結成コンセプトを次のように定義づけています。
「高祖ジェイムズ・ブラウンから流れを汲むファンクを、日本に在りながら(在日)再認識しようと、音、思想、外観あらゆる面から試みる」
アメリカの黒人音楽として産声を上げたディープファンクを、極東の島国に生きる日本人が模倣ではなく己の血肉としてどう鳴らすのか。その自問自答と敬意(リスペクト)を込めて冠されたのが「在日ファンク」という看板でした。
バンドの原点は、2000年代後半に遡ります。当時、星野源らとともにインストゥルメンタルバンドSAKEROCK(サケロック)のトロンボーン奏者として活動していた浜野謙太が、「JB直系のファンクを日本語でやりたい」という衝動からメンバーを招集。2007年頃よりセッションを重ね、在日ファンク結成経緯の第一歩が刻まれました。2010年1月6日にPヴァイン・レコードよりリリースされた1stアルバム『在日ファンク』(PCD-4399)は、インディーズ発ながら音楽通の間で瞬く間に話題となり、日本のファンク史に新たな金字塔を打ち立てました。