夕刊の休刊は、毎日新聞単体の経営課題ではなく、新聞業界全体を取り巻く構造的な必然です。他社に目を向けると、産経新聞は早い段階で東京本社管内の夕刊を廃止し、大阪本社管内でも2026年までに紙面改革を断行しました。朝日新聞や読売新聞、日本経済新聞も、地方部を中心に夕刊の発行を取りやめ、朝刊統合版への移行を段階的に進めています。
地方紙やブロック紙においても、静岡新聞、西日本新聞、中国新聞などが夕刊を相次いで休刊させました。中日新聞も一部地域で見直しを行っており、全国的に「夕刊が存在しない生活様式」が一般化しています。
かつて昭和から平成初期にかけて、夕刊はサラリーマンが帰宅途中に読む娯楽記事や、家庭で夕食後に楽しむ文化面・コラム・小説などの豊かな読み物として確固たる地位を築いていました。しかし、可処分時間の奪い合いが動画配信サービスやSNSへとシフトした結果、夕刊というメディアフォーマットそのものが役目を終えつつあるのが実情です。