犬が撫でられて喜ぶ部位というと、多くの人が背中や頭を真っ先に思い浮かべるかもしれない。しかし、最新の動物行動学や解剖学的なアプローチから見ると、犬にとって真に心地よい刺激となるポイントは、もっと具体的で意外な場所にある。
筆者が取材した現場で特に強調されたのが、「耳の根元」「顎(あご)の下から首元にかけて」「胸元(チェスト)」、そして「腰から尻尾の付け根周辺」の4箇所だ。例えば耳の根元周辺には、副交感神経を刺激する神経系が集中的に分布している。指の腹で優しく円を描くようにほほぐしてあげると、多くの犬がトロけるような表情を見せる。
取材に応じた獣医師は次のように解説する。「犬は自分で届かない場所を撫でられると強い幸福感を感じます。特に首回りや顎下は、日常の緊張で筋肉が凝りやすい部位でもあります。公益社団法人日本獣医師会の啓発資料等でも触れられている通り、日頃から全身に優しく触れる習慣を持つことは、皮膚疾患や腫瘍などの初期症状を早期発見するトリガーとしても機能します」