なぜこれほど有望視される路線でありながら、旅客化が即座に進まないのか。そこには都市交通工学上・法制度上の決定的なボトルネックが存在します。
最大の難所が、路線北側に位置する「国道6号(水戸街道)新宿踏切」です。国道6号は1日あたり数万台の交通量を誇る東京東部の重要幹線道路であり、現状の貨物列車(1日数往復)の通過ですら一時的な交通滞留を引き起こします。もしLRTとして1時間に4〜6往復(数分間隔)の高頻度運行を行った場合、踏切遮断による国道6号の大規模渋滞は不可避となり、警視庁および道路管理者からの同意を得ることは極めて困難です。
この問題をクリアするためには、国道6号との立体交差化(高架化または地下化)が必要となりますが、これには数百億円規模の追加事業費と長い工事期間が必要となります。
さらに、設備を保有するJR東日本および運行を行うJR貨物との協議も重要です。新金線は現在も首都圏の鉄道貨物ネットワークにおける重要幹線であり、レール輸送や迂回路としての機能を担っています。単線設備の中で、貨物列車のスジ(運行ダイヤ)と高頻度な旅客電車のダイヤをどう共存させるか、信号システム(ATS等の保安装置)の改修費用を誰がどのように負担するのかという財源・事業主体の切り分けが大きな課題となっています。