ネット検索で「ジブリパーク ご飯」と入力すると、関連ワードに「まずい」「高い」といったネガティブな検索候補が散見されます。報道各社や現地取材によるレビュー、SNS(XやInstagram)、クチコミ掲示板の投稿を精査すると、そこには明確な「期待値と体験の構造的乖離」が浮かび上がってきます。
まず「まずい」という評判の背景にあるのは、料理の本格志向ゆえのクセです。例えば、魔女の谷にあるレストラン「空飛ぶオーブン」で提供される「シェパーズパイ」や各種オーブン料理には、イギリスやヨーロッパ各地の伝統的なハーブ、スパイスがしっかりと利かされています。ファミレスのような万人受けする甘辛い味付けや、子供向けに最適化された濃いケチャップ味を想像していると、「思っていた味と違う」「ハーブが独特で子供が残した」といった感想につながりやすいのが実情です。
また、多くのファンが夢見る「映画に出てくるジブリ飯(『天空の城ラピュタ』の目玉焼きトーストや『魔女の宅急便』のニシンとかぼちゃのパイなど)をそのまま豪快に食べられる」という過度な期待も一因です。パーク側のコンセプトは「映画の食事をそのまま再現する」ことではなく、「物語の舞台となった地域や時代背景を食文化として体験してもらう」ことに重きを置いています。この思想の違いを把握していない層が、肩透かし感を覚えてしまう傾向が見受けられます。
次に「高い」とされる価格設定について検証します。ジブリの大倉庫内「カフェ 大陸横断飛行」のサンドイッチは単品で約650円〜950円、ドリンクと合わせると1人あたり1,500円前後に達します。魔女の谷の「空飛ぶオーブン」に至っては、メインディッシュが2,000円〜3,000円前後となり、家族4人で利用すると食事だけで1万円を優に超える計算です。一般的なファミレス基準で比較すれば割高に感じられますが、愛知県産の厳選素材や国産小麦の使用、手作りのパイ生地といった食材原価、さらには徹底した世界観の内装維持費を考慮すると、現在の観光・レジャー産業における適正レートの範囲内にあると評価できます。