仕上がりの色と深みを左右するのが酒粕の選定です。スーパーで一般的に売られている白く硬い「板粕」をそのまま使っても、奈良漬特有の濃厚なアミノ酸の旨味や飴色は生まれません。奈良漬づくりには、半年から1年以上空気を遮断して寝かせ、アミノ酸と糖がメイラード反応を起こして茶褐色(味噌のような色)に変色した「奈良漬用熟成酒粕(踏込み粕)」が必須となります。
この熟成粕に砂糖やみりんを調合しますが、配合比率の狂いは腐敗や過剰発酵の原因になります。編集部が醸造の専門家や伝統製法を検証して導き出した、最もバランスの良い「奈良漬け酒粕と砂糖の黄金比率」は以下の構成です。
さらにプロの仕上がりに近づけたい場合、「奈良漬みりん粕本格的な作り方」として知られるブレンド技法が有効です。踏込み粕に対して20〜30%のみりん粕(こぼれ梅)を混ぜ合わせると、砂糖単体では出せない丸みのある高貴な甘みとコクが加わり、味の奥行きが飛躍的に深まります。