世間一般において「Vシネマ=任侠ヤクザ映画」というイメージが強く定着していますが、これには明確な理由があります。1990年代半ば以降、レンタル店で最も回転率が高く、続編の需要が安定していたジャンルが極道・裏社会モノだったためです。『首領への道』や『実録』シリーズなどは、重厚な組織論や男の生き様を描いた傑作として現在も高く評価されています。
しかし、Vシネマの土壌が生み出した名作は任侠モノだけに留まりません。
後のジャパニーズ・ホラーブームの先駆けとなった黒沢清監督のサスペンス作品群や、実写化ブームを牽引したコミック原作アクション、さらにはカーアクションやエロティックサスペンスまで、多彩なジャンルが実験的な試みとともに量産されました。低予算だからこそ若いクリエイターが自由に腕を振るえる「日本映画界の実験場」として機能していた側面は見逃せません。