筋トレの翌日や翌々日にやってくるあの激しい痛み——通称「遅発性筋肉痛(DOMS)」。長年、この痛みこそが「筋肉が大きくなっている証拠」だと信じられてきた。しかし、近年の研究でそのメカニズムの誤解が明かされている。
痛みの本質は、筋肉そのものの破壊ではなく、筋膜を中心とした結合組織の微細な炎症反応だ。つまり、強い痛みがあるからといって、必ずしも筋肥大のシグナルが最大化されているわけではない。むしろ、激しい炎症が起きている状態の筋肉は、神経系からの出力命令を正常に受け取れなくなっている。効かせたい部位に効かないばかりか、無意識にかばう動作が入り、フォームが崩れる原因になるのだ。