インターネット黎明期の掲示板やSNSを中心に爆発的に広まった「となりのトトロ都市伝説」。その代表格が「トトロは死期が近い者にしか見えない死神である」「サツキとメイは後半ですでに命を落としている」というショッキングな言説です。
こうした都市伝説が生まれた背景には、1960年代に起きた実際の凶悪事件との無理な結びつけや、物語後半で二人の足元の影が薄くなる作画上の仕様を深読みした憶測がありました。ネットユーザーの間で「隠された裏設定」として消費され、ダークな考察を好む層によって長年にわたり増幅され続けた経緯があります。
しかし、スタジオジブリは2007年5月に公式サイトのスタッフ日誌において異例の公式コメントを発表しています。
「トトロが死神だとか、メイちゃんが死んでるという事実や設定は一切ありません。最近ご心配の声が寄せられていますが、全くのデマですのでご安心ください」
さらに鈴木敏夫プロデューサーや制作スタッフの証言によれば、後半で影が省略されているシーンは、夕暮れ時の空間全体の明度バランスを調整する演出意図と、当時のセル画制作における作画負担の調整に過ぎません。エンディング映像で母親が退院し、二人が元気に泥遊びに興じる姿こそが動かぬ正史であり、悪意ある都市伝説は作品の本質から完全に乖離したデマであることが証明されています。