2019年1月期に放送されたTBS系火曜ドラマ『初めて恋をした日に読む話』。横浜流星が演じたのは、東大合格を目指す型破りな不良高校生・由利匡平(通称:ゆりゆり)でした。原作漫画(持田あき著)のキャラクターを実写化するにあたり、最大の実写化障壁と目されていたのが、まさにトレードマークである「ピンク頭」の完全再現でした。
日本の学園・青春ドラマにおいて、不良少年や反抗期のアイコンといえば長らく「金髪」や「茶髪」が定石とされてきました。しかし、本作が提示した「無敵ピンク」は、従来のヤンキー像を鮮やかに塗り替え、繊細さと情熱を併せ持つ新時代のヒロイン相手役像を確立したのです。放送回を重ねるごとに「ピンク頭の男の子が美しすぎる」「ゆりゆり沼から抜け出せない」といった熱狂的なリアクションがSNS上を席巻し、公式Instagramのフォロワー数は放送期間中に数十万人規模で急増しました。
この現象は単なるビジュアルの奇抜さによるものではなく、匡平の一途で不器用な恋心と、どこか儚げでありながら芯の強い瞳のコントラストが視聴者の感情を強く揺さぶった結果といえます。二次元の突飛なカラーリングを、三次元の生々しい感情美学へと昇華させた点に、このヘアスタイルが社会現象化した最大の理由が存在します。