日本のインターネット史を振り返る上で、巨大匿名掲示板「5ちゃんねる」(旧2ちゃんねる)の存在を抜きに語ることはできない。かつてのアノニマスな掲示板文化は、名もなき参加者たちが知恵を出し合い、ユーモアを共有する「アジール(聖域)」であった。しかし、その聖域をビジネスの波が飲み込み始めたことで状況は一変する。
対立の核心にあったのは、掲示板の書き込みを勝手に転載し、広告収入を得る外部サイトの急増だ。他人の知的労働や雑談の産物をスクレイピングし、莫大なアクセスを集めて収益化する手法に対して、住民たちの怒りは爆発した。無償でコミュニティに貢献してきたユーザーから見れば、自分たちの純粋な対話が「他人の金稼ぎの道具」として搾取されているように映ったのだ。この構造的歪みこそが、反アフィリエイトという思想的火種を生み出し、強烈な拒絶の奔流を作り出した根源である。