古河電工パワーシステムズの存在意義を語る上で欠かせないのが、同社の設立背景と製品シェアの圧倒的な優位性です。同社は、古河グループに属していた電力機器関連会社3社と、古河電気工業の子会社として配電事業を統合・再編する形で誕生した歴史を持ちます。総合電線メーカーである親会社がケーブルや新素材、光通信など広範な事業領域を展開するのに対し、古河電工パワーシステムズは「送電・配電の接続・支持機材」という極めて特化したハードウェアに経営資源を集中させています。
その代表格が架空送電線用金具です。山間部や平野部を何十キロメートルにもわたって連なる高圧送電鉄塔には、強風による揺れを抑制する防振ダンパーや、電線同士を接続するスプライス、がいしと電線を固定する引留クランプなど、過酷な自然環境に耐えうる高精度な金具類が不可欠です。同社はこの分野において国内屈指のシェアを誇り、公式Web上で閲覧可能な充実した製品カタログには、数十万ボルトの超高圧送電線から配電盤部材に至るまで膨大なラインナップが網羅されています。
電力会社各社の厳しい技術基準に合致した製品を数十年にわたり安定供給してきた実績は、他社が容易に真似できない強固な参入障壁を形成しています。「電力がある限り消耗・更新され続ける」製品群を握っている点こそが、景気変動の波に左右されない同社の事業基盤の源泉です。