本作の最大の武器は、数々のヒット作を生み出してきた人気脚本家・大石静が構築した洗練されたシナリオ構造にある。物語の軸となるのは、単なるアットホームな日常ではない。家族間の容赦ない本音のぶつかり合いを描くホームコメディの側面と、30代女性のリアルな葛藤と恋模様を浮き彫りにする恋愛ドラマの側面が見事に同居している点だ。
長男のもとに嫁いできた主人公が、一癖も二癖もある3人の義理の姉たち、そして強烈な存在感を放つ姑との間で翻弄されながらも、たくましく自分の居場所を築いていく姿は、現代の働く女性にとっても深い共感を呼ぶ。日常の些細な喧嘩や会話の端々に散りばめられたウィットに富んだセリフは、大石作品ならではの真骨頂と言えるだろう。