誕生当初は特定の掲示板ユーザーや濃密なサブカルチャー層にしか通じない隠語だったが、2010年代以降、スマートフォンの普及とともに状況は一変する。決定的な役割を果たしたのがX(旧Twitter)をはじめとするソーシャルメディアの隆盛だ。
文字数制限のあるプラットフォームにおいて、情熱や興奮をたった二文字で集約できる利便性は極めて高かった。スポーツのリアルタイム実況や新作アニメの放映直後、タイムラインは「胸熱」の二文字で埋め尽くされるようになる。若者層から始まった熱狂の波は瞬く間に一般的なテレビ番組やWebメディアへと波及。現在では世代を超えて日常会話や見出しに浸透し、辞書にも掲載されるほどの定番フレーズとして定着するに至った。