SNSやネットの掲示板で「トレランの連中は頭がおかしい」と話題になる最大の理由は、設定されるレースの距離と獲得標高の異次元さにあります。一般的なフルマラソン(42.195km)ですら一般人には過酷な挑戦ですが、トレイルランニングの世界では100km超えや100マイル(約160km)のレースが最高峰の舞台として君臨しています。
舗装された平坦なアスファルトではなく、木の根が張り巡らされ、岩肌が露出した急斜面を登り、膝に強烈な衝撃がかかる下り坂を疾走する過酷さは、ロードマラソンとは次元が異なります。足元が不安定なトレイルランニングがきつい理由は、全身の体幹筋肉を総動員してバランスを取り続ける必要があり、肉体にかかる負荷が跳ね上がるためです。
世間からの評判を見ても、「自傷行為に近い」「遭難しに行っているようなもの」といった批判的な声がある一方で、コミュニティ内部では過酷な挑戦をやり遂げる走者が最大級の敬意を込めて「変態」と称賛されるという独特の文化が定着しています。この価値観のギャップこそが、「トレラン=頭がおかしい」というレッテルを補強している要因の一つです。