『ハクション大魔王』の劇中には、今なお語り草となっているユニークな裏設定や象徴的なアイコンが数多く存在します。その代表格が、キャラクターごとの個性豊かな呪文と食文化に与えた影響です。
大魔王が魔法を使う際の呪文「アラビン・ドビン・ハゲチャビン」は、言葉の響きの面白さとリズミカルな語感で当時の子供たちの間で社会現象的な流行語となりました。一方、娘のアクビちゃんが唱える「出まして来ましてアクビちゃん」という愛らしいフレーズも親しまれました。さらに、令和版『ハクション大魔王2026』で初登場した魔王の息子・プゥータはおならで呼び出され、「あらまぁ・おどろき・おならのプゥ」というコミカルな呪文とともにいたずらを繰り広げます。
また、大魔王の代名詞といえば山盛りのハンバーグです。皿にうずたかく積まれたハンバーグを手づかみで豪快に平らげるシーンは、当時の視聴者に強烈な食欲をかき立てました。1969年当時、洋食ハンバーグは一般家庭の食卓においてまだご馳走の部類であり、日常的なメニューではありませんでした。関係者の証言によると、大魔王の大好物をハンバーグに設定したことで、日本のファミリー層へハンバーグ文化が一気に普及・定着する大きな契機になったとも言われています。