店内を見渡すと、一昔前の地域コミュニティには見られなかった光景が広がる。タブレット端末で宿題をこなす中学生に、隣に座った70代の男性が将棋の手ほどきをする。あるいは、若手起業家が地元の歴史に詳しいお年寄りに街の昔話を聞き取り、SNSで発信していく。
画面越しのアタッチメントに疲れた若い世代にとって、こうした物理的な「人のぬくもり」は新鮮な体験として映る。一方、高齢者にとっても、若い世代と日常的に触れ合うことが生きがいや認知症予防の好循環を生んでいる。世代間の分断が叫ばれて久しい日本において、食卓という最もシンプルな媒体が強力な架け橋となっているのだ。