日本の近代気象観測史上、凄まじい被害を残した歴代台風の記録を振り返ると、ヘクトパスカルの数値が持つ危険の重大さが鮮明に浮かび上がります。
日本本土上陸時の最低中心気圧の歴代ワースト記録は以下の通りです。
1. 第2室戸台風(1961年):室戸岬で925.0hPa(上陸時推定945hPa前後)
2. 伊勢湾台風(1959年):潮岬で929.2hPa(上陸時推定929hPa)
3. 枕崎台風(1945年):枕崎で916.1hPa(上陸時推定916hPa)
4. 室戸台風(1934年):室戸岬で911.6hPa
戦後最悪の高潮災害をもたらした伊勢湾台風(死者・行方不明者5,000人超)は、上陸時におよそ929hPaという極めて低い気圧を保ったまま本州を直撃しました。世界記録に目を向けると、1979年の台風20号(チップ)が太平洋上で記録した870hPaが世界観測史上最低の中心気圧として知られています。
海水温の上昇に伴い、日本近海まで高い勢力を維持したまま北上してくる台風のリスクが高まっており、過去の歴史的猛威を対岸の火事と捉えない意識が求められます。