なぜ人は、勝率の低い勝負だと分かっていても資金を投じてしまうのか。行動経済学の専門家は「プロスペクト理論」における損失回避バイアスと、確率の過大評価を指摘する。
人間は損失の苦痛を回避したいと強く願う一方で、極めて低い確率の巨額なリターンを実際よりも高く見積もってしまう習性を持つ。特にSNSで連日他人の成功劇を目にすると、「自分にも起きるはずだ」という認知の歪みが生じる。直感に頼った取引を一度成功させてしまうと、脳内でドーパミンが過剰に分泌され、リスク感覚が急速に麻痺していく。これこそが、多くの投資家が逃げ場を失い、泥沼にはまっていく心理的プロセスだ。