日常生活で混同されやすい言葉に「拳(こぶし)」と「拳骨(げんこつ)」があります。一見すると同じものを指しているように思えますが、言葉の焦点が当てられている部位が異なります。
拳(こぶし)は、5本の指を手のひらに向けて折り曲げた手全体の「状態・形状」を指します。これに対して拳骨(げんこつ)は、握った際に表面へ浮き出る「中手骨(ちゅうしゅこつ)の関節部分(指の付け根の硬い骨)」を強調した表現です。
かつて子どもを叱る際などに使われた「ゲンコツを食らわせる」という表現は、まさに骨の硬い部分を相手に当てる行為から来ています。形状そのものを情緒的に表すなら「拳」、硬い骨の部分や物理的な衝撃を強調するなら「拳骨」と使い分けると、日本語のニュアンスが明瞭になります。