では、いわゆる「普通の教授(専任教授)」と何が違うのか。決定的な差は、雇用の安定性と職務の範囲にある。専任教授が原則として定年までの身分を保証され、大学の運営業務(入試業務や教授会での意思決定など)に深く関わるのに対し、特任教授の多くは単年度、あるいは数年の有期契約だ。職務も「特定のプロジェクトの遂行」や「特定の講義の担当」に限定されることが多い。
この限定性が、良くも悪くも彼らの立場を規定する。煩わしい大学の学内政治から解放され、研究や教育に没頭できるというメリットがある一方で、大学の意思決定機関である教授会での議決権を持たないケースがほとんどだ。つまり、大学の「インサイダー」でありながら、本質的な部分では「アウトサイダー」として扱われる二面性を抱えている。