ふたりの馴れ初めは、福岡県久留米市の中学時代に始まります。当時のフミヤは、いわゆるやんちゃな少年グループの中心にいた一方、まちこさんは真面目で落ち着きのある優等生タイプでした。一見すると対極にいたふたりですが、共通の友人を介して言葉を交わすうちに互いの魅力に惹かれ合い、高校時代から本格的な交際へと発展しました。
高校卒業後、フミヤは一度国鉄(現・JR九州)門司鉄道管理局に就職し、車掌業務に従事しながら音楽活動を継続。1983年にチェッカーズとしてシングル『ギザギザハートの子守唄』で鮮烈なメジャーデビューを果たします。瞬く間に社会現象となったフミヤは、日本中の女性が憧れるトップアイコンへとのし上がりました。
しかし、取り巻く環境が激変し、プライベートが完全に制限される狂乱の渦中にあっても、フミヤの心の中にいたのは常にまちこさんでした。東京と福岡の遠距離恋愛、過熱する週刊誌の追跡をくぐり抜けながら、ふたりは水面下で愛を育み続けました。自著や当時の特番インタビューにおいてフミヤは、「どんなに華やかな場所にいても、彼女と話すと素の自分に戻れた。彼女がいなければ狂気に呑まれていたかもしれない」と述懐しています。
そして1990年6月29日、ふたりは地元・福岡県久留米市にある由緒正しき水天宮で挙式を行いました。アイドル的人気が最高潮にあった時期の結婚発表は芸能界に大きな衝撃を与えましたが、「売れる前から支えてくれた中学の同級生と結婚した」という事実は、世間から「本物の純愛」「最高の男気」として絶大な称賛を集めることになったのです。