車を少し走らせ、紀の川や有田の里山へ足を踏み入れると、時が止まったかのような静寂に包まれる。築100年を超える大庄屋の邸宅や歴史ある醤油蔵をリノベーションした隠れ家レストランが、食通たちの目的地となっている。
日本庭園を眺めながら味わうのは、地元の農家から直接届く朝採れ野菜を中心としたイタリアンやフレンチだ。有田みかんの果汁を隠し味に使った甘美なソースや、紀州鴨のローストなど、地域のテロワール(風土)を皿の上に表現した料理の数々は実に味わい深い。ゆったりとした空間設計も相まって、日常の喧騒を完全に忘れさせてくれる。