現代の京都市は11の行政区で構成されていますが、歴史的な洛中・洛外の区分と現在の行政区画は一致しません。他府県の人が「京都の名所」として真っ先に思い浮かべるエリアの多くが、実はすべて歴史的な洛外に位置しています。
主な洛外エリアの区分は以下の通りです。
- 伏見エリア(伏見区):伏見稲荷大社や酒蔵の町並みで知られる伏見は、秀吉が築いた伏見城の城下町・港町として独自に発展したため、明確に洛外と位置づけられます。
- 嵯峨・嵐山エリア(右京区・西京区):渡月橋や天龍寺がある嵐山周辺は、平安貴族が風光明媚な別荘地(別業)として愛した風雅な洛外です。
- 東山・山科エリア(東山区・山科区):清水寺や八坂神社がある東山山麓、さらに東の山を越えた山科エリアは、御土居の東端(鴨川・寺町通)を越えるため洛外となります。
- 衣笠・北野・大原エリア(北区・左京区):金閣寺(鹿苑寺)や龍安寺、三千院のある大原などは、御土居の北限を越える洛外の地です。
- 南区・十条エリア(南区):世界遺産の東寺境内の南端(九条通)以南は、都の南の境界を越えた洛外にあたります。
現在の京都市内で純粋な洛中に収まるのは、上京区・中京区・下京区の大部分と、北区・東山区・南区のごく一部に限られます。京都市の広大な面積の大部分は、歴史的には洛外に分類されるのが実情です。