庭園の池のほとりに静かに佇む木造建築――それが国指定重要文化財の「古今伝授の間(こきんでんじゅのま)」だ。もともとは京都御所にあった建物で、慶長5年(1600年)、細川幽斎(藤孝)公が智仁親王に和歌の奥義である「古今和歌集」の解釈を授けたという、日本の文学史において極めて重要な歴史的背景を持つ。
大正年間にこの地へと移築されたこの歴史的建造物では、畳敷きの広間から池と富士の築山を一望しながら、伝統的な抹茶と和菓子を楽しむことができる。歴史の息吹が染み込んだ柱や鴨居に囲まれ、吹き抜ける心地よい風を感じながら過ごす時間は格別だ。2026年の今も、往時の文人たちが交わした風流な趣がそのまま息づいている。