スクリーンでの活躍と並行して、彼は時代のストリートカルチャーを力強く牽引した。モデルとして雑誌の表紙を飾り、独自の着こなしで若者たちのスタイルアイコンとなった松岡は、やがて着る服を自ら作り出す領域へと足を踏み入れる。それが彼が立ち上げたブランド「mash」だ。
ヘンプ素材をはじめとするオーガニックな生地を用い、着心地とデザイン性を追求したコレクションは、当時のファッション業界に大きな衝撃を与えた。大量生産・大量消費の潮流に疑問を投げかけ、着る人の生き方に寄り添う服作り。この「mash」での取り組みこそが、後に彼が山奥での自給自足生活へと向かっていく思想的ルーツとなったことは疑いようがない。服という身近な道具を通して、彼はすでに自らの人生観を表現していたのだ。