法的な観点から見れば、この問題は憲法上の権利の衝突そのものである。更生した犯罪者であっても、平穏に私生活を送る権利、すなわち「忘れられる権利」があるとする立場。一方で、凄惨な事件を引き起こした人物が身近に潜んでいるかもしれないという恐怖から、コミュニティの安全のために「知る権利」や表現の自由を主張する立場。この両者は平行線をたどったままだ。
日本の裁判所も、過去の逮捕歴や実名情報の削除請求に対して、ケースバイケースの判断を下してきた。しかし、海外にサーバーを持つサイトや、分散型のSNSプラットフォームに対しては、日本の法律が及ばないことも多い。法制度の整備が、テクノロジーの拡散スピードに追いついていないのが実情である。