なぜ私たちは、無意識に容姿の釣合いを求めてしまうのだろうか。その背景には、長年にわたりエンターテインメント産業が生み出してきた美男美女の記号化が深く影響している。
ウォルト・ディズニー・カンパニーが手掛けた名作アニメーションや、実写版映画『美女と野獣』においてエマ・ワトソンがベルを演じ、ダン・スティーヴンスが野獣役を務めたような印象的なストーリーは、世界中で愛されてきた。しかし同時に、「美しいヒロインには最終的に洗練された王子がふさわしい」というビジュアルの調和を象徴するイメージも社会に強く刷り込んできた一面がある。
テレビで放送される恋愛ドラマや、映画の王道とも言えるロマンチック・コメディの多くでも、主役カップルには容姿端麗なキャストが起用されるのが常だ。さらにDisney+やNetflixなどの動画配信サービスで日常的に世界中のコンテンツを消費する現代において、美しさと愛の結びつきを描いた映像表現は知らず知らずのうちに人々の美意識を形作っている。こうしたメディア環境が、知らず知らずのうちに社会全体に外見至上主義を根付かせる一因となっているのだ。