映画界で高い評価を得ていた麻生久美子の名を、お茶の間へ決定的に浸透させたのが2006年のドラマ『時効警察』(テレビ朝日系)でした。オダギリジョー演じる霧山修一朗の相棒・三日月しずか役で見せた彼女の姿は、多くの視聴者に「こんなに可愛いコメディエンヌがいたのか」と衝撃を与えました。
劇中で見せたボブスタイルの髪型や、コロコロと変わる愛らしい表情、絶妙な間合いのギャグ演技は瞬く間に話題となり、現在でも「時効警察の麻生久美子が一番かわいい」と語り継がれる伝説のキャラクターとなりました。清楚な映画女優というパブリックイメージを軽やかに壊し、全力で変顔やドタバタ劇に挑む姿は、女性ファン層を急速に拡大させました。
さらに2011年の映画『モテキ』では、主人公に重すぎる愛をぶつけるOL・枡本るみ子役を熱演。ベッドの上でB'zの「ultra soul」を絶叫しながら涙を流すシーンは日本映画史に残る名演として絶賛され、第35回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を獲得しました。ショートからロング、ストレートからパーマへと髪型やビジュアルを変幻自在に変えながら、彼女は観客の期待を常に超える演技を提示し続けたのです。